四聖句
達磨大師が言われたとされる禅の根本思想。
「不立文字」(ふりゅうもんじ)
「教外別伝」(きょうげべつでん)
「直指人心」(じきしにんしん)
「見性成仏」(けんしょうじょうぶつ)
この4つの句は別々の独立した教えではなく、4句が繋がりあって禅のいうところの悟りの到達までの道標を示すものである。
○ 四聖句とは
当然過去の経典や先達の教えを読んで・学ぶことは大切なことであると定義はするが、最終的な心理追及には自己の経験に基づく自身の価値基準が大切であるということを説くのがこの教外別伝といえるのではないかと考える。(実際禅宗での書籍、文献はかなり多くあり、禅語や禅問答など文字や言葉で伝えるものは多数存在はする。)
自転車に乗るためにいくら人に乗り方を聞いても、本を読んで勉強しても自転車にすぐ乗れるものではなく、実際に自転車に相対して乗って・転んでみてようやく乗りこなすことができるようになるのと同じことを示唆しているのであると思われる。
真理追及のためには、修行を通したところでの経験が必要であるとの認識である。
結局、修行を通して自身の心に向き合い(直指人心)、本来の自分になる(見性成仏)ことが大切であると説くのがこの句であると言えます。悟りに至る道筋は一人ひとり違うので、そのためには修行という経験が必要であり、その悟りとは自分の内部に存在するものであるというのが、この四聖句といえるのではないだろうか。