座禅座禅

  • HOME
  • >
  • 坐禅のやり方(初心者)

坐禅 やり方、基礎知識

坐禅

スポンサードサイト

坐禅 はじめに

 坐禅に関しては、最初は何やらとっつきにくいものではないかなあと思います。個人で自宅でもできるものだとは思いますが、最初はお近くの座禅会などで、正しい坐禅をご教授していただくのがよいかと思います。
 また、一人ではなかなか時間に流されてしまいがちになってしまいますが、座禅会などはまわりの方々もいらっしゃるので、集中度がちがってくるような気がします。
 ただいきなり座禅会などで、初めてのことが多いと、頭がこんがらがってしまうかもしれないと思い、初めてこれから坐禅に挑戦したい・興味があるという方向けとして、坐禅の簡単な組み方の説明を載せてみます。
(世の中にはいろいろととても素晴らしい坐禅の方法の説明サイトや書籍があると思います。本サイトでうまく伝わらないかもしれません。ご不明点とうありましたら別サイトや書籍をお調べになる、座禅会で直接ご指導を受けてみるなどの方法もあります。)


服装について

 基本的に楽な服装なら問題はないかと思いますが、足を組みますのでなるべく酔ったりとした服装のほうが良いのではないかと思います。やめた方がいいのは、ジーンズであったり。体を締め付けるベルト類のものです。
 また裸足になるため、女性はストッキングはやめておいた方がいいかと思います。男性はともかく、女性の方は座禅会の申込などの際に合わせて更衣室の確認もされておいた方が安心かも知れません。
(作務衣にスポーツ袴を合わせる方もいるようです。)


坐禅堂

通常座禅会などに参加される際は、お寺の坐禅堂で坐禅を組まれることが多いと思います。


 禅院では東司[トイレ]、浴室、そしてこの坐禅堂の3つは沈黙を守らないといけない決まり(三黙道場)です。坐禅堂への入堂は向かって左の柱の脇から入ることになっています。また入堂の際は手を合わせて一礼をし、左足から堂内へ踏み出します。
これも寺院ごとにいろいろと細則や個別の決まりごとがある場合があります。実際に現地で確認してみましょう。またあまりこだわらない寺院もあるようです。


叉手(しゃしゅ)

 立っているときや、坐禅堂内を歩いたりする際はこの叉手という姿勢をとります。左手でこぶしを握り、それを右手で包む形でみぞおちの高さにもっていくものです。仏教では合掌に次ぐ礼法とされているようです。
 
 これは流派によって左右の手が異なり、曹洞宗の場合は右手が上にきて、臨済宗の場合は逆の左手が上にくる形となります。


坐禅場所と座布団

 坐禅をする各人の場所は「単(たん)」と呼ばれます。これは現在私たちが日常で使う“単位”の語源になったのだとか。
もともとこのひとり1畳ほどのスペースが修行僧の修行の基本空間となります。坐禅や睡眠はもとより食事をする場所にもなります。
坐蒲
  ここには丸い形の坐蒲(ざふ)という坐禅用の座布団が置かれてあるはずです。
(丸い坐蒲は曹洞禅で使用される形で、四角い坐蒲は臨済禅で使われるものです。)
坐蒲は坐禅前に縦に起こして両手で押して形を整えます




坐禅 所作

 ここまでは坐禅にまつわる環境に関しての説明をさせて頂きました。これからは所作に関して順を追って書いてみたいと思います。
 
1 入堂
 お堂の左から左足から踏み入れる。入堂の際には手を合わせて一礼(合掌低頭[がっしょうていず])。
合掌の際は脇を引かず、大きく開けるような形で手を合わせます。仏様が安置されている場合はそこで合掌低頭します。
叉手でゆっくりと自分の「単」の部分まで移動します。
 
2 単の前で
 左右の順で隣の方々に合掌低頭(隣位問訊[りんいもんじん])、右回りで正面の方にも合掌低頭(対坐問訊[たいざもんじん])。
戻って坐蒲を両手で押して形を整えます。
 
3 坐蒲に着席
 単のはしには30センチ弱の木のヘリがあります。ここは修行僧の食事の際のテーブルとしても使われる場所なので足を載せてはいけない決まりにまっています。
坐蒲をまず畳と木のヘリの近くまでもってきて、お尻をのせます。そのまま手を畳について坐蒲を後ろにずらしながら足で胡坐をかく形で畳の上に膝が乗る形になります。
右手は畳について、左手で坐蒲を抑えたまま、右回りで180度回転して壁側を向きます。(曹洞禅の場合)
衣服などの乱れを確認して


坐禅 足の組み方

 単での坐禅のスペースまで体を置くことができれば、次は足と手を組みます。
足の組み方は、ふつうのあぐらの足の組んだ姿勢から右足を手で持ち上げ左足の太ももの上(左足の付け根ぐらい奥の部分に右足の足の甲が乗るようなイメージです。)に、そして左足も同様に右足の太ももの上に置く形となります。この足の組み方を結跏趺坐(けっかふざ)といいます。両足の裏が上を向くような形になります。ここでのポイントですが、坐蒲の前半分にお尻をのせ、背骨は坐蒲から垂直に生えているようなイメージで坐り、お尻と2つの膝との3点で体が支えられるようになる姿勢を作ることです。
 うまく座れると、下半身が落ち着きますので丹田呼吸(複式呼吸)が楽にできるようになります。
 
 またはじめはこの結跏趺坐での座り方が難しい(痛い)というかたは、半跏趺坐(はんかふざ)という足の組み方もあります。これは右足を左足のももの下に深く入れ、左足だけを右ももの上に置くという足の組み方です。この半跏趺坐でも体は膝の2点とお尻の3点で支えることには変わりはありません。
 
 これでも足が痛い場合はふつうのあぐらでも構わないそうです。
また足の悪い方は、椅子に座って参禅することもできます。
 


坐禅 手の組み方

 法界定印(ほうかいじょういん)という手の組み方を行います。
これは右手の手のひらを上に向け、左足の上あたりに置きます。そしてその右手の上に左手を(手のひらは上向きのまま)合わせ、右手・左手の親指の先端は触れる程度でお互いに支え合い輪を作ります。
 
 臨済禅では、初心者向けに「結び手」という組み方もあります。
これは右手の4指を左手で包むように握り、右手の親指で左手の親指を包む握り方です。
 
 この法界定印では、結んだ印が体の前に行かないように気を付けます。(なるべく体幹に近い形で固定します。)体幹から離れると姿勢が前かがみになりがちになります。
 
 一度法界定印を結んだら、印をいったん解いて、両手を合わせて合掌します。(日常行うの合掌より肘を張って合掌しましょう。 )
 
 坐禅開始にあたって、一度深呼吸をします。(欠気一息[かんきいっそく])先に息をゆっくりと時間をかけて口から吐いていきます。目線は前方1メートル当たりの床を見るように落として、半眼で坐禅を行います。
 


坐禅 左右振幅

 
 その後、坐禅に入る前に、これからの坐禅のために継続して安定する姿勢を、体を左右に倒して腰を伸ばして探ります(左右揺振[さゆうようしん])。てのひらを上にして両膝につけ、腰から上はまっすぐな状来で左右に倒していきます。はじめはゆっくり大きく、徐々にゆっくり小さく体をゆらして腰の安定する位置を決定します。

 この左右揺振は坐禅終了時にも行います。
 左右揺振が終了したら両手で法界定印を組みなおします。
 


坐禅 調身

 
坐禅での体の形が正しくなっているかどうかを確認しましょう。
頭の上を天井に着きあげるようなかたちで背筋を伸ばします。
耳と肩の位置が一直線になるようにし、頭が背骨の上で支えられているという感覚に
なっているかを確認して下さい。
腹筋が動かせるような座り方になっているかを確認する。
 (大きく息を吸い込んで、腹筋を座ったままでストレッチをかけてみて下さい。)
 
肩の筋肉はリラックスして、前かがみの姿勢になっていないようにきを つけましょう。


坐禅 調息

 呼吸を整えることを「調息」といいます。以前欠気一息の際は口から息を吐いていましたが、座禅中は口で呼吸はしないようにします。
丹田(へその下3寸[へそと恥骨稜の間を5寸とする骨度法による]に位置する声明の活動の中心と言われている部分)に意識を集中させて複式呼吸をおこなう「丹田呼吸法」をおこないます。
 要領としては、まず息を吐くことから開始します。この際ゆっくりと長く吐くことを心がけます。息を吐き切ったら自然に息を吸いますが、吐く時より早い時間で吸うように心がけます。
 
 この呼吸が坐禅ではとても重要なのですが、集中力を高める際などにも呼吸の数を数えて意識を内側に抑え込み、これを継続することで修行に集中していくという呼吸法である「数息観(すうそくかん)」というものもあります。
これは呼吸を1から順番に数えていくのですが、息を吐く時に「ひとー」と数え、吐く時に「つー」とかぞえます。2回目の場合は「ふたー」と「つー」というように数えていきます。
 
 10になったらまた1に戻って数えていきます。この方法ばかりにたよってしまうと、数字のカウントに気を集中してしまい、「無」になることができなくなるということもあるので、注意して使用して下さい。
 
 


坐禅終了

 1炷(線香1本の焼ける時間。約30~40分)が過ぎ坐禅が終了となります。静かに眼を見開き、合掌を行いましょう。固定していた 体をほぐす意味も持って左右揺振を行います。
組んだ足をほどき、立ち上がり合掌低頭で終了です。おつかれさまでした。